訪れてみたい場所ナンバーワンの実力を知る~イスタンブール編

9月26日

次の訪問地は、トリップアドバイザーのトラベラーズ・チョイスで2014年に世界のベスト観光地に選ばれたトルコのイスタンブール。本当はトルコの他の都市も訪れたかったけれども、日程の都合で今回はイスタンブールのみ。

朝6時発の便でデリーからイスタンブールへ(TK717便)。トルコ航空に初めて乗ったが、感動的に機内食がおいしかった。トルコ風サンドイッチとインドのベジ2種類の朝食セット。

手前マルマラ海~右手ボスポラス海峡、そして金角湾と地形がよくわかる。当てずっぽうでうまく撮れた。
湾

7~8月に訪れたヨーロッパ以来何回かイビスホテルに宿泊してきて、駅近など便利なロケーションにあること、品質が一定していて予測がつき安心であること、価格とサービスのバランスから考えても十分であることなどから、あれこれ時間をかけて探すより「イビスがいい」となった私たち。イスタンブールでもイビスに宿泊することに。ただし、今回泊まるイビスはアタテュルク国際空港と街の中心部の中間よりやや空港寄りの場所にあるため、街から遠い。一日に何回か運行されるホテルのシャトルバスを利用して観光することになった。

お昼過ぎのシャトルバスで早速旧市街の歴史地区であるスルタンアフメッドへ。ちょうどお昼の礼拝の時間だったため、モスクの尖塔から響きわたるアザーンの放送に圧倒された。ムスリムの女性がヴェールから目だけを出している姿はインパクトがあるが、一般的に自由度の幅は結構あるようでおしゃれな印象を受けた。

来たばかりでお昼のレストランは適当に選んだが(ALBURA KATHISMA CAFÉ)、とてもおいしかった。冷たい前菜の盛り合わせ(メザ)。
メザ

ヨーグルトソースの上にケバブがのっている。
ケバブ

近くのテーブルの中国人がつぼ焼ケバブを注文していた。火で焼くパフォーマンスがある。どんな味なのだろう?中国からの観光客って、片っ端からじゃんじゃん注文していくイメージ。「ええっ!?」というほど料理がテーブルに並んでいた。
壺焼き

スルタンアフメット・ジャーミィ。トルコを代表するイスラム寺院でイスタンブールの象徴的存在。寺院の前は広場になっていて人々が憩っている。本日は外から眺めるのみ。
寺院

反対側にはこちらもイスタンブールを象徴するアヤソフィア。ビザンツ建築の最高傑作とされる。同じく外から眺める。
寺院

世界的な観光地であるため、周辺には観光客向けのお店やレストランが並ぶ。ワクワクしながらどんな食べ物があるのかのぞいてまわる。これはいろんな料理が選べる大衆的なロカンタ。
レストラン

お菓子の専門店はパスターネと呼ばれる。とても甘そうに見えるが、どんな味なのだろうか。滞在中にぜひ試してみたい。
お菓子

4400軒ものお店がひしめくグランドバザールを散策。貴金属や土産物などいろいろ売っていて巨大。日本語の表示も目にするけれど、なんたって中国人観光客の存在感である。
バザール

市場そのものよりも目が吸い寄せられたのは市場の周辺にある食べ物のお店。ここで働いている人たちがお客さんで、どこもとってもおいしそう。一つひとつは小さなお店なのだが、にぎわっていた。
レストラン

モダンなカフェが並ぶ垢ぬけた通りもある。
通り

9月27日

雨で肌寒い。この旅に出て初めてウールのシャツを着る。10:30のシャトルバスで出発するも途中雨足が強くなると共に渋滞もひどくなり(イスタンブールは世界で最も渋滞がひどい都市に選ばれたこともある)、街まで1時間もかかった。

最初にスルタンアフメット・ジャーミィ(通称ブルーモスク)へ行くも信じられないくらい長い行列が続いているのを見て断念。明日のダンスショーの予約と発券の手続きなどをしつつ歩いて海岸沿いに出る。素晴らしい眺めが広がっていた。

お昼は憧れのサバサンド!

何年も前にテレビの旅番組でイスタンブールのサバサンドの映像を見て以来、イスタンブールへ行ってサバサンドを食べるのが私の目標(?)の一つであったのだ。

ガラタ橋のたもとに係留された3台の屋台船で売られている。3台とも同じお店のようだった。
屋台

船の前には屋根のあるスタンドがあり、小さなテーブルと椅子が置いてあって座って食べることができる。飲み物は売り子が回ってくる。
スタンド

サバサンドはシンプル。トルコのフランスパンに似たエキメッキの中に焼いたサバ、レタス、玉ねぎが入っている。テーブルの上に塩とレモン果汁のボトルが置いてあり、好みでかける。地元の人は結構ばんばんかけていた。
サンド

おいしかったけれど、すっごく美味というほどではなくて素朴。クセの強いハーブ(香菜やイタリアンパセリ)を合わせた方がよりおいしくなると私は思う。今度自分で試してみたい。サバはそれ自体に塩味をつけて焼くことが必須だが、日本の塩サバより弱くて十分。

左側のボトルがレモン果汁。サバサンドには写真にあるピクルス汁を合わせるのがトルコ流。キャベツやきゅうりのピクルスとサバサンドを交互に食べつつ、ピクルスのつけ汁を飲む。酸味があってパンチ力がある。ともかくサバサンドという長年の夢がかなって良かった!(1個食べた後でおかわりした)
ピクルス

食後はエジプシャンバザールを散策。
バザール

香辛料を売るお店が軒をつらねる。
お店

スルタンアフメット地区へ戻る途中にあったロカンタ。英語圏の観光客が注文するところに遭遇。店員さんとのやりとりに四苦八苦しながら注文していた。英語がネイティブだったら旅行で苦労しないだろうと思っていたが、英語圏の人でもわからないことだらけな様を見て、みんな同じなんだなあと感慨深かった。
レストラン

15~19世紀の400年もの間オスマン朝の支配者の居城として政治・文化の中心であったトプカプ宮殿へ。

外廷の正門である「挨拶の門」。
宮殿

中に入ると庭園がある。
庭園

シャトルバスの関係であまり見学時間を取れなかったので、ハレム見学は涙を呑んで見送り。謁見の間や宝物館を見てゆく。帝国の繁栄がしのばれるが、何もかもがエキゾチック。宝物館には見たこともない大きさの宝石を使ったダイナミックで色鮮やかな宝物が並んでいた。首飾り、剣、衣装など。

宝物館の建物。4つの部屋へ入るのにそれぞれ行列になっていた。
画像の説明

金角湾の眺めが素晴らしい。街並みがきれい。パラソルはレストラン。
湾

イズニクでつくられたタイルの文様は細かく美しい。色の組み合わせが印象的。
タイル

シャトルバスの停留所でバスを待っていたら、結婚写真を撮影中のカップルに遭遇。ムスリムの花嫁衣装を初めて見た。日本語で「きれいだね~」と話していたら通じたのか、微笑んでくれた。
カップル

夕ご飯はアタキュイにあるGelikへ。地元で人気のあるケバブのレストラン。ホテルから2.7km離れており、30分くらい歩いて行ったのだが、車がハイスピードでびゅんびゅん走る道路の脇を歩くのは怖かった。

スタンバイされている各種お肉。
お肉

ハーブ、玉ねぎ、トマト、青唐辛子とお肉を一緒に口に入れる。
ケバブ

他に注文したのはしいたけ焼とマッシュルームのピラフ(フェンネル味でチーズをかけて焼いたもの)。赤ワインはトルコ・ワイン。

レストランの近くにあるギャラリア・ショッピングセンターを散策。ファッションのお店はトルコ風味ではなく、普通にヨーロッパのショッピングセンターにあるような感じでセンスも良かった。
センター

9月28日

昨日に続いて雨。今日こそは!ということで、スルタンアフメット・ジャーミィへ。やはり行列が続いていたが、昨日ほどではなかった。入場するまでに服装についての注意やチェックがあり、女性はベールをかぶる。
寺院

寺院内部はタイルとステンドグラスの青い色合いと光が圧倒的に美しい。
寺院

礼拝の時間ではなかったが、お祈りする人々がいた。イスラム教徒とそれ以外は出入り口が別で、入るエリアも厳格に分かれている。
寺院

私はこの低い位置に並ぶライトに強い印象を受けた。
寺院

観光客のエリア。たくさんの人々で混雑している。床に座って少し眺めていたけれど、いかんせん人が多い。
寺院

続いてアヤソフィア博物館へ。360年に教会が完成し、ギリシア正教会の大本山としてあがめられたが、1453年にコンスタンティノープルが陥落した後はイスラム寺院に姿を変えた。1931年に壁の中のモザイク画が発見され、ビザンツ時代の遺跡として再注目され、博物館として公開されることとなった建物である。ブルーモスクとは異なった趣。パッと見は屋上屋を重ねたよう。入場するまで長蛇の列であった。
寺院

建物内部はスケールが大きく、上階からはダイナミックな眺め。傷んでいる部分が結構あり、一部修復工事中で櫓が建っていた。円板にはアッラーやムハンマドらの名が刻まれている。
寺院

細かいモザイク画がたくさんあった。
寺院

お昼過ぎにタクスィム行きのホテルのシャトルバスに乗る。雨が激しく、乗車時にバスのステップで滑ってすってんころりん、痛かった。バスから降りたとき、場所の現在位置がつかめず、雨の中しばらく周りを探し歩いた。

ロシア領事館の前でデモに遭遇。夫が好奇心で近づいて行ったので叱る。
デモ

魚屋さんとシーフードを出すレストランが並ぶ通り。観光客向けの品ぞろえと見受けられた。
通り

お昼ごはんはローカルなケバブ屋さんUmut Ocakasi。2時頃だったので、お客は私たちだけだった。

ちょっと怖いインテリア。
レストラン

焼いているところが見える。清潔で近代的。
レストラン

トマトとイタリアンパセリのサラダ。ナッツのカリカリ感が小気味よくすっきりした酸味。
レストラン

このお店はレバーのケバブが有名。シンプルな味。
レストラン

トルコ料理は野菜と組み合わせて食べるものが多いし、本当においしい。インドでは「インド料理万歳!!」だったが、トルコも連日「トルコ料理万歳!!」なのであった。

なすの間にお肉をはさんで焼いたもの。もう少し味にパンチがあってもよいと思った。
レストラン

食後は30分ほど歩いて軍事博物館へ。軍楽隊の演奏を聴く。クラシック音楽の素材として多くの作曲家が用いたトルコの軍楽とはどんなものか?生で絶対に聴いてみたかったのだ。
軍楽

オスマン朝の時代に発展した軍楽。今もその伝統に基づくが(単旋律)、音楽自体は時代の影響を受けて現代風に変遷してきているのではないかという印象を受けた。

歴史上の戦闘を再現する絵と人形が妙にリアル。
画像の説明

目抜き通りであるイスティクラール通りへ。タクスィム広場近くのケバブ・サンドのお店が連なる一角。
博物館

ドネル・ケバブのサンドイッチの屋台は今や世界中どこにでもあるが、発祥地であるトルコで食べると「本場の味」なのだろうか?すごく気になったので、早速トライ。

結果は、お肉とピクルス、トマトのシンプルな味だった。8月にドイツのデュイスブルクの駅で買ったときはソースやキャベツなどの具、パンの焼き加減などが工夫されていて、私はドイツで食べたものの方がおいしいと思った。他文化と交わったことで発展したということなのかもしれない。
ケバブ

日曜の夕方だったのだが、信じられないくらい人々でにぎわっていた。このボリュームがずっと続く。
通り

タクスィム広場からガラタ橋まで途中どんなお店が並んでいるのかを見ながらぷらぷら歩く。ダンスのショーの時間が近づいていたのでガラタ塔の上へあがるのは見送った。

ガラタ橋からアタテュルク橋を望む。反対側には停泊するクルーズ船も見えた。
橋

ガラタ橋では釣りをする人々がたくさん。橋の下はシーフードのレストランが続く。
橋

昨日ダンスショーのチケット予約をしたとき、観光インフォメーションセンターのおじさんが「老舗のお菓子屋さん」だと教えてくれた劇場近くのKoska。昨日2種類のバクラワ(パイに蜜をかけたようなお菓子)を買って食べたところ、サクサクの生地、ナッツの香ばしさ、蜜の甘みの濃厚さによる重層的なおいしさにあまりにも感動したため、今日もお店へ。昨日とは違うお菓子を選ぶため物色中。えらい真剣であることが写真からもわかる。ヘーゼルナッツとくるみの2種類を購入。期待通りおいしかった!
お菓子

トルコに行ったら絶対観たいと思っていたセマー(旋舞)をスィルケジ近くにあるホジャパシャ文化センターで観劇。
ショー

15世紀に建てられたハマムを改装した劇場。フロアを囲むように客席がある。ダンスは残念ながら写真撮影不可。最初に器楽のみで現代風の即興的な曲を2曲演奏、その後ダンサーが登場して儀式となる。スカートがくるくる回ると風が吹き幻想的で宇宙と一体になる感じ。上演時間は1時間。一日中たくさん歩きまわった後だったので少しウトウトしてしまったが、念願のセマーを体験できて感激だった。
ショー

余談だが、この日タクスィム広場の近くを歩いていたとき、靴磨きの詐欺に遭遇した。わざとブラシを落とし、こちらが何も知らずに「落ちましたよ」と教えてあげるとお礼のふりをして靴磨きでお金を取ろうとするもの。無視したけれど、その後その男の子が他の人にも同じわなを仕掛けているところを見た。イスタンブールではよくあるパターンなのだろうか。

9月29日

イスタンブール最終日。朝ごはんの後、ホテルの部屋でモロッコ旅行の算段、お昼のシャトルバスで旧市街へ。

スルタンアフメット地区にあるシーフードレストラン、Balikci Sabahattinでランチ。場所を少し探した。なすのペースト、ムール貝と米、唐辛子のオリーブオイルあえペースト。どれも美味。
レストラン

いかリング。ヨーグルトソースで食べる。
レストラン

私は喜んでいかリングを食べていたが、夫は何の変哲もないものをわざわざトルコで食べる必要はないとのたまっていた。

すずきのグリル。シンプルな塩味。おいしかったけど、ちょっと低カロリー過ぎたか。
レストラン

食後は地下宮殿へ。4~6世紀に建てられたと言われる地下の貯水池。ひんやりとしていてライトアップされたコリント様式の柱が幻想的。
地下

宮殿の一番奥にはギリシア神話の怪物メドゥーサの顔。
地下

ブルーモスクに隣接するアラスタ・バザールのお店。
バザール

イスタンブール3泊4日の訪問はあっという間だったが、圧倒的な観光資源にただただ圧倒された。長い歴史、異空間のような建造物、エキゾチックな街並み、ヨーロッパから近い地理的条件、ちょうどよい気候、おいしい食べ物と人々を惹きつける全てが揃っている。この街が人気の観光地であることは非常に納得できる。

街はきれいでスケールが大きく、想像したよりもインターナショナルで豊かな印象を受けた。そして海沿いに広がる街へ来ると毎回感じることだが、海に向かって開けていると陰気になりようがない感じがするのだ。実に何度も来たい街である。

(2014.9.26~9.29)

続いて、アンマン編