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トマシェフスキー公演は4月がファイナル

マイケル・ティルソン・トーマスの祖父母ボリス&ベシー・トマシェフスキーを題材にしたエンターテインメント・ショー

The Thomashefskys: Music and Memories of a Life in Yiddish Theater

が4月の公演で最後を迎えることがわかりました。

4/5,6にニューヨーク・フィルハーモニック、4/14-17にニュー・ワールド交響楽団で4公演(内14日はドレス・リハーサルでチケットが安い)を行い、これを最後にもう公演しないそう。

ニュー・ワールド交響楽団の公演ではPBSでの放映用に撮影があり、DVDも発売予定。

劇場があったニューヨークでの公演で撮影するのかと思っていましたが、やはり細かい点までこだわれる自らの活動拠点で納得のゆくものを制作するのでしょう。マルチスクリーンもあり、舞台機構も様々に工夫できますし、何より多くの人にニュー・ワールド・センターを紹介できる。

これで最後、区切りをつけるというのも非常にMTTらしい。全米の主要都市を回りましたし、プロジェクトの目的は達成したという判断なのだと思います(他にやることたくさんあるし)。

ユダヤ系メディアの記事によると、最初ティルソン・トーマスは資料の整理だけを目的にしていたのだけれど、トマシェフスキー・シアターの“舞台として見せる”べきだと途中で方向転換したそう。またMTTの父がボリスについての伝記を書いていたのだけれど、世に出る前に亡くなってしまったというエピソードも。

このトマシェフスキーのショー、特段劇的なストーリー展開があるわけでもないのに、行く先々の客席数2000以上のホールで複数回公演しても観客で埋まるとはどういうことなのだろう?と私はかねがね疑問でした。ユダヤ人協会みたいなところが動員しているというのも一つあるでしょうが、私が思うに、アメリカに移住してきたユダヤ人には、自分たちのルーツを大事にしたいという思いがあり、そこにこのショーはストライクしてくるのではないでしょうか。またトマシェフスキーの登場人物たちのありようや音楽が、おそらく聴き手の人たちにとっては、自分たちの祖父母の記憶とオーバーラップするのではないかと思います。

きっと私がショーを観て感じたのとは、全く別の受け取り方なのではないでしょうか。

ユダヤ系メディアの記事
Second Avenue Runs In The Family

ニューヨーク・タイムズのレビュー

これまでの公演

  • 2005年
    ニューヨーク(カーネギーホール)、サンフランシスコ交響楽団、ニュー・ワールド交響楽団
  • 2008年 
    サンフランシスコ交響楽団、シカゴ交響楽団、ロサンゼルス・フィル
  • 2009年 
    タングルウッド音楽祭(ボストン交響楽団)
  • 2011年
    フィラデルフィア管弦楽団、ニューヨーク・フィル、ニュー・ワールド交響楽団

このサイトのトマシェフスキーに関する記事

(2011.3.30)